とにかく大乗浬葉経をみてみましょう。
八木橋氏によれば、天中殺が大乗浬契経に影響を与えたなどという簡単なものではなく、「個の思想として体系化されたもの」「天中殺理論を仏教流に解釈したもの」というのですから、天中殺が大乗浬葉経のなかにはちりばめられているに違いありません。
私はていねいに大乗浬般木経を隅から隅まで読んだことはありませんが、その範囲でいうなら、いったいどこに天中殺があるのでしょうか。
インドには天中殺の元となっている十干十二支の考えがなく、インドの天文や星占いはどちらかというと西洋占星術に近いのです。
大乗浬葉経は紀元後3~4世紀に作られたもので、その思想は、法華経や般若経の延長にあり、同じ題名の阿含経の経典とはまったく内容が違います。
その内容は、
◎肉体のお釈迦様は仮の姿で、永遠の法身が存在する(仏身常住)。
◎ニルヴァーナの世界は常に存在し、楽であり、本体があり、清らかである(浬樂常楽我浄)。
◎すべての人は仏となることができる(一切衆生悉有仏性)。
であるといわれています(宮元啓一『経典ガイドブック』春秋社、1990年)。
なんだか、わかったようなわからないような説明ですねえ。
経典だなどとありがたがるから訳がわからなくなるのであって、広告だと思えばいいのです。
これら三つをまとめるなら、「当教団には生きたお釈迦様がいつもあなたのそばにいます。
ニルヴァーナはちゃんとあるんですよ。
とっても楽しくきれいなところです。
君のなかにすでにブッダはあるのだ。
さあ、君のなかのブッダをよみがえらせ、ニルヴァーナをめざそう。
提供「大乗仏教○△教団」といっているのです。
こう読むとわかりやすいでしょ。
お釈迦様が説いたのではなく、人間が作った経典にすぎないのですから、私たちの知能レベルとさほど変わりないはずです。
難しい言葉使いにごまかされないことです。
抹香臭いお経が多いなかで、大乗浬繋経は明るく積極的な内容です。
「明るく楽しいニルヴァーナ」なのですから、怖くて恐ろしい天中殺が入る余地などありません。
どこに天中殺があるのか、ぜひ示してほしいものです。
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